高い蹴り技を放つ男性のシルエット 全国大会の舞台で戦う姿と挑戦を続ける強さを象徴

第9話 試合当日―悪魔を超えて立った舞台

高い蹴り技を放つ男性のシルエット 全国大会の舞台で戦う姿と挑戦を続ける強さを象徴

令和7年5月~7月

 右足は依然として痺れていました。
悪魔的痛みのヘルニア発症から半年、右足は3センチやせ細り、最も基本となる「支える力」が失われていました。

それでも私は続けました。
水中歩行から始め、負荷をかけないリハビリを積み重ね、短い距離のウォーキングへ、そしてジョギングへ。
5月の連休には、ゆっくりだが10キロのジョギングができるほど回復していました。

それでも治ったわけではなく、痛みも痺れも、常に身体のどこかに残っていました。
「違和感と共に生きる」感覚が日常となっていました。

そして迎えた7月、夏の全国大会。
大会会場、道着に袖を通し帯を締めた瞬間、身体の中心が整うのを感じました。
痛み止めの注射も無し、飲み薬も無し、テーピングもしませんでした。
悪魔(痛み)を克服した、現状の素の自分で勝負したかったからです。
道着と帯には、やはり特別な力があります。
どれだけ不安でも、この瞬間だけは「戦う自分」に戻れる。

初戦はシード。
会場の熱気、選手たちの表情、踏みしめたマットの感覚。
すべてが懐かしく、すべてが刺激的でした。
2回戦、3回戦と勝ち上がりました。
集中力とアドレナリンで痛みはほとんど感じませんでした。
試合の間は身体が軽く、動きは明らかに冴えていました。

全国の強豪が出揃う4回戦。
まさに「壁」のような相手でした。
結果はベスト8敗退。
しかしその瞬間、悔しさよりも感謝と安堵が心に広がりました。
「ここまで戻って来られたんだ」
歩けなかったあの日、杖をついていた日々、眠れなかった夜を思い出していました。

しかし、本当に苦しかったのは大会後でした。
試合の緊張が解け帰宅した夜。
右腰から脚にかけて、久しぶりに強い痛みが戻ってきました。
布団に横になるたびに神経が軋み、眠れないほどの疼きが脚全体に広がっていきました。

「この先、どうすればいいのか」
大会に出場できた喜びよりも、不安が静かに広がっていました。

大会では痛みを忘れて戦えた。
しかし現実は残酷で身体はまだ完全ではない。
それでも、ここで終わらせるわけにはいかない。
あの地獄のような悪魔的痛みにも負けず、道場に戻り、全国の舞台に立つところまで来た。

痛みと興奮で眠れぬ夜、私はもう一度心身を見直して挑戦しようと決めました。

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※本記録は個人の体験であり、治療効果を保証するものではありません

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