空手の上段蹴りをする男性のシルエット 腰に電撃のような痛みが走る椎間板ヘルニアの描写

第1話 発症の日―悪魔が腰にしがみついた

空手の上段蹴りをする男性のシルエット 腰に電撃のような痛みが走る椎間板ヘルニアの描写

令和6年11月30日:負傷日

 空手の稽古中でした。
上段廻し蹴りの連続動作。
それはいつも通りの動きのはずでした。

しかし、あの瞬間…
腰の奥で「ズクン」と何かが壊れるような感覚が走りました。
次の呼吸をする間もなく、右腰から右脚にかけて電流のような激痛が突き抜けました。
膝が勝手に折れ、立っているのが精いっぱいでした。

「おかしい……」
そう頭の中で繰り返しながらも、痛みはどんどん強くなっていきました。
右の腰から臀部、太もも、膝下へ。
まるで悪魔が腰にしがみついたような…
動かそうとしても身体が命令を聞きません。
これが腰椎椎間板ヘルニアの始まりでした。
この時の感覚は、今まで経験した腰痛とは明らかに質の異なる、腰の芯から浸食されるような鈍く深い「悪魔的痛み」でした。
このあと自分が2か月間まともに歩けず夜も眠れないほどの痛みに苦しむことなど、その時は想像もしませんでした。

痛みで寝れたかどうかもわからず朝を迎えました。
昨日の出来事は夢でない現実だと腹をくくる、もうすぐ日が昇る、今日も予約で埋まった時間通りに、接骨院には患者さんがやってくる…
私はまだ人目の少ない早朝に自宅を出て、這うようにして出勤しました。

「おはようございます」
いつも通りの声で1人目の患者様を迎えました。
脚を引きずりながらも、患者さんには気づかれないように気持ちを引き締めました。
痛みは重くのしかかり、時には刺すようで、身体を静止することすら難しい状態でした。
私は治療家としての表情を崩さないことで精いっぱいでした。

痛みで歯を食いしばりながら患者さんの身体を支えました。
施術の感覚だけは、痛みの中でも不思議と冴えていました。
まともに歩くこともできず、両手でベッドを押さえるようにして移動していました。
人を治す手が、その時は自分を支える唯一の支点でした。

夜になると腰の奥が焼けるように痛みました。
眠れないまま明け方を迎える日が続きました。
「治療家なのに、自分の身体も治せない」
そんな自責の気持ちが、病む身体を更に深刻なものへと落としていきました。

それでも私は抗いました、施術室に立ち続けました。
このような状態だからこそ、ピンチをチャンスにかえる行動が必要だと…
「痛みを抱えながら通院していただいている患者さんの気持ち」が、より良くわかるだろと…
少しでもプラス思考になれるよう、僅かな元気の火が消えないように必死でした。

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※本記録は個人の体験であり、治療効果を保証するものではありません

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