杖をつき痛みに耐えながらゆっくり歩く男性のシルエット 回復の兆しを象徴している

第5話 最初の光―痛みの中に見えた回復の兆し

杖をつき痛みに耐えながらゆっくり歩く男性のシルエット 回復の兆しを象徴している

令和7年2月

 まともに歩けない日が続き、痛みの波はいつも私の心を追い詰めていました。
しかし、ある日の昼休みのことでした。
いつものように腰と脚の痺れを確かめながら院内を歩いていると、右脚を前に出した瞬間、痛みの質がわずかに変わったのを感じました。

鋭い痛みが、ほんの少しだけ丸くなったような…
一瞬ですが、悪魔的痛みが優しくなったような。
気のせいかもしれない。
そう思いながら身体を動かしてみました。
すると、昨日まで膝にまで響いていた電気のような痛みが、今日は太ももの途中で止まっていました。

治療家として、その変化の意味を理解できました。
「神経の炎症が、少し引いてきている」
それは、ほんのわずかな違いでしたが、私にとっては大きな一歩でした。
悪魔(痛み)が消えたわけでも、歩けるようになったわけでもありません。
それでも、この「数パーセントの軽減」が、私には眩しいほどの光に見えました。

日中の施術中にも、変化はありました。
患者さんの身体を支えようと前に踏み出した時、腰の奥を走る痛みが一瞬遅れて出たのです。
昨日までは体重をかけた瞬間に「ズキン」と来ていたのに、今日はその「ズキン」が遅れている。
痛みのタイミングが変わるというのは、炎症のピークが過ぎつつあるサインでした。

「もしかしたら…」
胸の奥で小さな期待が膨らみました。
もちろん、まだ油断できる段階ではありません。
夜になれば痛みは再び強くなりました。
痛みの波も安定していません。
それでも、確かに「変化」はありました。
その変化に気づけたのは、治療家として積み重ねてきた経験のおかげでした。
「この痛みは必ず引く」そう思えた瞬間、あの重かった不安が少しだけ軽くなりました。

歩けなかった2か月の中で、私は何度も心が折れかけました。
しかし、この小さな改善が私に再び未来を想像させてくれました。

まだ普通に歩けるわけではない。
まだ稽古に戻れるわけではない。
まだ生活は痛みとともにある。
それでも…
確かに、身体は変わり始めていました。

それは、暗闇の中に差し込んだの光の様でした。
これが、私の「回復の始まり」でした。

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※本記録は個人の体験であり、治療効果を保証するものではありません

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