道着姿で組手の構えを取る男性のシルエット 全国大会を目指し再び戦う覚悟を象徴

第8話 全国大会への道―痛みを抱えたまま挑む覚悟

道着姿で組手の構えを取る男性のシルエット 全国大会を目指し再び戦う覚悟を象徴

令和7年4月

 復帰の稽古を終えた日から、一つの想いが芽生えていました。
「このまま夏の全国大会に挑みたい」
その気持ちは痛みが残っているにもかかわらず、日に日に強くなっていきました。

道着を着て動いた感覚。
床を踏みしめた時の安定感、汗を流せるようになった身体。
技を出した時に感じた「還ってきた自分」
それらすべてが、全国大会への思いを再び灯し始めていました。

しかし現実は厳しく、痛みと痺れは消えていません。
右足で身体を支える動きは不安定、動ける日もあれば、動けない日もある。
夜は相変わらず痛みで苦しみ、朝起きると腰と脚の状態を確認するところから一日が始まりました。

「こんな状態で、本当に大会を目指せるのか?」
そう自問自答する日もありました。
それでも稽古は続けました。
もちろん以前のように動くことはできません。

稽古内容は徹底的に調整しました。
重心移動はゆっくりと。
突きは腰への負担を避ける動作で。
蹴り技は高さを求めず、まずは「動作の感覚」を取り戻す程度で。

痛みの強い日は、一歩踏み出すだけで足が止まりました。
悪化の恐怖が身体を固め、道場の空気が重く感じられる時間もありました。
それでも、空手着を着て帯を締めると身体の中心が整いました。

「出来る範囲で、やっていこう」
そんな覚悟が自然と生まれていました。
治療家としての私は、身体の状態を細かく観察していました。
痛みの質、出方、神経の反応、筋肉の張り方、左右差…
その全てを把握しながら、できる稽古とできない稽古を判断していました。

治療家の視点があるからこそ「無理をすれば後戻りになる」という恐怖も強く感じていました。
しかし同時に治療家として私は知っていました。
「目標があると人は立ち上がれる」ということを。

今まで何人もの患者さんと、絶望からの復活劇を共にさせていただきました。
今回の主人公は自分自身です。
大会がなければ、ここまで身体を動かせなかったかもしれません。
大会がなければ、痛みに負けていたかもしれません。
大会があったからこそ、私は一歩一歩前に進めました。
困難の中にいても目指す場所があれば、人は歩き続けられる。
そのことを私は知っていました。

ある日、稽古の終わりに気づきました。
痛みはまだある。
痺れもまだ消えていない。
それでも動けている。
「この身体でも、まだやれる」
そう確信した瞬間、全国大会が「夢」ではなく「挑戦する価値のある現実」に変わりました。

痛みを抱えながら挑むのは無謀かもしれません。
しかし、あの歩けなかった日々、眠れぬ夜、
杖をついても院に立ち続けたあの時間を思えば、ここで挑まない理由はありませんでした。

私はリハビリと並行して、戦う覚悟を決めました。
そして再び全国の舞台を目指し始めました。

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※本記録は個人の体験であり、治療効果を保証するものではありません

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