今朝、当院に隣接する紫陽花庭園に一羽の鳩が羽を広げて倒れていました。
呼吸はしているが、目はうつろで衰弱が激しい印象でした。
保健所に連絡するも、そのまま自然に放置するか死んだらゴミで捨てるしかないとの回答・・・。
鳥インフルエンザの可能性は極めて低いとの判断で、ダンボールに新聞紙をひいて保護しました。 そのまま放置していたら凍死か猫やカラスに食べられていたでしょう。
その鳩の名を「ポーヤン」と命名。 この瞬間から当院のファミリーとなりました。
ポーヤンの足には緑のリングが巻かれ、記号が書かれていました。 調べてみるとレース鳩の競技中に埼玉に戻るはずが、北へ北へと飛んできた「迷い鳩」だと分かりました。
ポーヤンの容態が気になりますが、午前中は治療業務で全く看病は出来ません。
お昼 僅かな呼吸のみのポーヤンに、スプーンで水をあげると「口ばし」を動かしながら飲み干しました。 院にまだ残っていた患者さん達と大喜びです。
その直後ポーヤンはうつろだった目を大きく開けて、何かを語りかけているようでした。
飼い主が特定でき、専用の宅配便で送り返す段取りも整いました。
昼食後に日差しの暖かい待合室で、そっと段ボール箱を覗き込むと、ポーヤンはつぶらな目を僅かに開けたまま横たわり動かなくなっていました。
たった半日の出来事です。
鳩のポーヤン、命の温もりを有難う。 出会えた奇跡に感謝します。
今夜は迷わず天国へと向かってください。
合掌
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Prev2015年1月30日
『これでいいのだ』