その瞬間、90年人生最後の鼓動が深く静かにはじけました。
「トゥクーーン」
バアちゃんは最後のお別れを左中指に響かせてくれました。
壮絶な時代を生き抜いた命が、昨日静かに終止符を打ちました。
身内に囲まれたその寝顔は、穏やかで自然な表情でした。
自分も誰より愛されたと思っている孫の一人。
バアちゃんがいて、親がいて、自分がいる。
そして子へ、また新しい命へと続くツナガリ。
見守られ、そして見守り続いていく。
きっと、その永遠のツナガリの全てが、今この瞬間のチカラになっている。
きっと、いつでもその光に優しく包まれている。
バアちゃんのその鼓動はこれから先もこの胸に響き続ける。
合掌。
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